API(エーピーアイ、Application Programming Interface)は、異なるソフトウェア間で機能やデータをやり取りするためのインターフェースやプロトコルの集合です。APIを使用することで、開発者は他のアプリケーションやサービスが提供する機能を自分のプログラムから簡単に利用することができます。APIはソフトウェアの機能をモジュール化し、再利用性を高め、異なるプラットフォームやアプリケーション間での連携を容易にします。
APIは、特定の機能を呼び出すためのルールとメソッドを提供します。例えば、ウェブサイトでユーザーがログインする際に、GoogleやFacebookのアカウントを利用できるのは、これらのサービスが提供するAPIを使用して認証情報をやり取りしているためです。また、天気情報アプリが最新の天気データを取得する際も、気象データを提供するサービスのAPIを利用してデータをリクエストしています。
APIの主な種類
Web API(REST API、SOAP APIなど): 最も一般的なAPIの形式で、インターネットを通じてデータを送受信します。REST(Representational State Transfer)は軽量で柔軟な設計が可能で、多くのWebサービスで採用されています。SOAP(Simple Object Access Protocol)は、セキュリティやトランザクションなどの高度な機能をサポートするために使用されることが多いです。
ライブラリAPI: プログラミング言語のライブラリが提供するAPIで、プログラムの一部として機能を呼び出すために使用されます。たとえば、Pythonの標準ライブラリが提供するファイル操作やデータ処理の関数がライブラリAPIに該当します。
OS API: オペレーティングシステムが提供するAPIで、ハードウェアリソースやシステムサービス(ファイルシステムへのアクセス、ネットワーク通信など)をプログラムから利用できるようにします。
APIのメリット
再利用性: 開発者は他のサービスが提供するAPIを利用することで、ゼロから機能を開発する必要がなく、効率的に開発を進めることができます。
抽象化: 複雑な処理やデータのやり取りを、シンプルなAPI呼び出しに抽象化できるため、開発者は細かい実装に気を取られることなくアプリケーションを構築できます。
統合: 異なるアプリケーション間でデータや機能を統合することで、新しい価値を生み出すことができます。たとえば、eコマースサイトが決済プロバイダのAPIを使って支払い機能を実装するなどです。
APIの動作例
APIはリクエストとレスポンスの形式で動作します。たとえば、天気情報を取得するAPIにリクエストを送信する場合、次のようなステップで行われます。
クライアント(ユーザーのアプリケーション)がAPIリクエストを送信します。リクエストには、取得したいデータや必要なパラメータが含まれます。
サーバー(APIプロバイダ)がリクエストを受け取り、必要な処理を行い、データを準備します。
サーバーがレスポンスとしてデータをクライアントに返します。多くの場合、レスポンスはJSONやXML形式で提供されます。
クライアントはレスポンスを受け取り、データを表示または利用します。
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