APIゲートウェイとは、様々なAPIへのアクセスを一元的に管理・制御するための中間層のサービスです。
APIゲートウェイは、クライアント(モバイルアプリ、ウェブアプリ、IoTデバイスなど)からのリクエストを受け取り、適切なバックエンドサービスに転送する役割を果たします。また、アクセス制御、認証、データの変換、リクエストのルーティング、キャッシュ処理、負荷分散など、多くの機能を提供します。
APIゲートウェイの主な機能と利点は以下の通りです:
リクエストのルーティング: クライアントからのリクエストを適切なバックエンドサービスやマイクロサービスにルーティングします。これにより、クライアント側の実装を簡素化し、各サービスの独立性を保ちやすくなります。
セキュリティ: APIゲートウェイは、APIキー、OAuth、JWTなどの認証・認可をサポートし、セキュリティを強化します。また、DDoS攻撃や不正アクセスを防ぐためのフィルタリング機能やレートリミッティング(一定時間内のリクエスト数制限)も提供されます。
データの変換: クライアントとバックエンド間でデータ形式が異なる場合に、JSONからXMLへの変換やデータの整形を行います。これにより、クライアントはバックエンドの詳細な仕様を気にせずにAPIを利用できます。
負荷分散とキャッシング: バックエンドサービスへのリクエストを分散し、トラフィックの集中を防ぎます。また、キャッシング機能を使って頻繁に要求されるデータを一時保存し、バックエンドの負荷を軽減します。
モニタリングとロギング: APIの利用状況をリアルタイムで監視し、メトリクスを収集することで、パフォーマンスの最適化や問題のトラブルシューティングに役立ちます。
代表的なAPIゲートウェイのソリューションとして、AWS API Gateway、Kong、NGINX、Azure API Management、Apigeeなどがあり、各クラウドプロバイダーやオープンソースのツールを利用して構築できます。
APIゲートウェイは、特にマイクロサービスアーキテクチャを採用しているシステムにおいて、サービス間の通信を効率的に管理し、システム全体のパフォーマンスとセキュリティを向上させるために欠かせないコンポーネントです。
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