DoT(DNS over TLS)とは、DNS(ドメインネームシステム)による通信を暗号化するプロトコルで、TLS(Transport Layer Security)を利用してDNSクエリのプライバシーとセキュリティを強化します。
従来のDNS通信は平文(暗号化されていない状態)で行われていたため、外部からの盗聴や改ざんのリスクがありました。DoTを利用することで、DNSリクエストとレスポンスが暗号化され、第三者による通信内容の傍受や改ざんを防ぐことができます。
DoTの主な特徴と利点は以下の通りです:
通信の暗号化: TLSを使用してDNSクエリを暗号化するため、ユーザーがどのウェブサイトにアクセスしているかなどの情報を外部から監視されにくくなります。これにより、ユーザーのプライバシーを保護できます。
改ざん防止: 通信が暗号化されるため、DNSリクエストの途中で第三者によって内容が改ざんされるリスクを軽減します。これにより、悪意のあるサイトへの誘導を防ぐことができます。
セキュリティ強化: DoTは、DNS通信をセキュアに行うための標準的な手段として広く採用されています。特にパブリックWi-Fiや不特定多数が利用するネットワーク環境で、DNSクエリの安全性を確保します。
対応サービス: 多くのDNSリゾルバーやプロバイダー(Google Public DNS、Cloudflare DNSなど)がDoTに対応しており、ユーザーは簡単に設定を行うことで、暗号化されたDNS通信を利用できます。
プライバシー保護: ISPや他の第三者がユーザーのDNSリクエストを監視してブラウジング履歴を収集するリスクを低減し、インターネット利用時のプライバシーを高めます。
DoTと似たプロトコルとして**DoH(DNS over HTTPS)**があります。DoHはDNSクエリをHTTPS通信で暗号化するのに対し、DoTは専用のTCPポート(ポート853)を使用してDNSリクエストを暗号化します。
両者は目的や利用環境によって使い分けられ、どちらもインターネット上でのセキュアな通信に寄与しています。
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